株式会社ジェイアール東海ツアーズ
AI×SEOで成果が出る記事を量産。旅行会社の再現性あるコンテンツ成長モデル|ジェイアール東海ツアーズ×ADDIX事例
クライアント課題
- 限られたリソースの中で、効率的な記事制作体制を構築したい
- 継続的かつ高品質なコンテンツで、検索流入を増やしたい
ADDIXの創造
- 旅行関連クエリを対象にしたSEO戦略設計
- 商材に合わせた独自プロンプトの開発
- 公開後のデータ分析と改善サイクルの運用
ユーザーの変化から考える「旅行予約サイト」の今
JR東海ツアーズの旅行予約サイトでは、どのような背景からSEO記事に取り組んでいるのでしょうか?
私たちは、往復の新幹線と宿泊施設を自由に組み合わせて予約できる「EX旅パック」、新幹線片道プランの「ぷらっとこだま」、旅先での体験やグルメなどのコンテンツをチケットレスで予約できる「EX旅先予約」の3サービスをメインとした、旅行予約サイトを運営しています。
以前までは、店舗窓口にて対面での商品案内、販売を行っていました。今でも「旅のサポートデスク」にて「EX旅パック」に関するお問合せ、購入操作のサポートなどを行っていますが、2024年からネット販売に特化した旅行予約サイトとして大規模なリニューアルを行い、新たなスタートを切りました。
ジェイアール東海ツアーズ マーケティング戦略部 WEB制作グループ長 嶋田孝雄さん
このサイトリニューアル以降、持続的な顧客接点を構築したいという思いから、検索流入を増やすためにテクニカルSEOとコンテンツSEOの両面を意識しながら、地道に記事をアップしていたんです。ところが、周知のとおり、SEOは効果が出るまでとても時間がかかります。
JR東海ツアーズ旅行予約サイトのイメージ。スタイルに合わせたさまざまなサービスを展開し、新幹線+宿泊プランや新幹線日帰り旅行などを検索、予約、決済できる
制作体制としては、SEOの専門会社に協力いただきながら、企画、執筆、編集、校正、公開までを行っていました。しかし、商材とのマッチングを考えると、なかなかスピード感を発揮することができず……もっと効率的に、スピード感のある記事制作ができないかと考えていたんです。そんなとき、同じJR東海グループのADDIXさんから、AIを活用したSEO記事の制作について提案を受けました。
商材にマッチしつつ高い再現性を狙った独自プロンプト
旅行商材という専門性とSEO効果を両立するために、AIをどのように活用したのでしょうか?
最初は、弊社メディアIPでの実績から、何かサポートできることがあるのではないか?と、ご相談に近いものでしたね。今もメディアとしてさまざまなAI制作実績を積み重ねているところですが、ちょうどゴルフメディア『EVEN』でAIを活用して制作したSEO記事の成果が上がってきた時期だったこともあり、それを元にディスカッションさせていただきました。
2025年の春頃だったかと思います。AIは興味がありましたし、実際の記事を拝見して「ここまでできるんだ!」と驚きました。一方で、「そうはいっても、旅行商品の記事でどこまでつくれるの?」という疑問は正直ありましたね。それっぽい原稿はできるかもしれないけれど、クオリティを担保しながら、はたして効果が出るものなのかと。
そのあたりは、当初メディアの編集部も同じように思っていたことと思います。AIとはある意味で対極のような世界で日々モノづくりをしているので。
ただ、記事によってですが、構成や文章のクセ(編集者やライターのキャラクター)に傾向があって、それを言語化できる場合は可能性が変わってきます。EVENの場合、膨大な過去記事を学習させ、構成をプロンプトに起こすことで、まるで編集者が書いたような記事に仕上げました。そして、それがわずか数か月で検索上位を獲得し、高いエンゲージメントを記録したんです。
ADDIXのゴルフメディア「EVEN」にて、AIライティングツールを活用した記事を公開(2024年9月)。公開後約3カ月で、検索上位を獲得
メディアで培ってきた知見やアウトプットを元に学習させて、そこからプロンプトを起こしているんですね。当社の記事の場合もですか?
プロンプトを独自開発しているという点は同じですが、流れや作業は少し違います。
御社の場合は商材ありきの記事なので、まずはそれに合致したテーマを選定し、テーマに最適なスポットや施設の情報を整理、同時に有効なクエリなどを分析します。こうして膨大な情報を収集、分析するフェーズで一度AIを活用し、そのうえで記事ごとの構成用プロンプトをまた別のAIで生成しています。
構成用プロンプトを記事ごとに変えているんですね。
たとえばホテルの紹介記事ひとつとっても、クエリや検索意図によってベストな構成は異なります。検索ボリュームの大小や検索上位記事のマネをするだけではただの後追いにしかなりませんし、目的の達成にはなかなか至りません。
制作の流れとしては、一度構成案のすり合わせをして、それを元に執筆しているという認識です。構成案の段階でこちらからさまざまなオーダーや提案をするケースもあると思いますが、そうしたものも都度プロンプトに反映しているんでしょうか?
はい。希望に沿わない、目的に合致しないと判断すれば、構成用プロンプトをもう一度つくり直します。ここが顧客視点の記事をつくるうえで重要な作業だと考えています。しっかりと成果を狙うためには必要な作業ですし、これを繰り返すことでAIの学習効果を高めることができたという実感があります。
AIは便利で有能ですが、完璧ではありません。プロジェクトメンバーの方々がいろいろな視点で指摘や提案をしてくれたことが有益なディスカッションにつながり、それがAIの穴を埋め、プロンプトの精度を上げ、顧客に刺さる記事をつくることができている理由なんだと僕は思っています。
取り組みから約半年を経て見えてきた成功パターン
実際に記事を制作・公開した後、どんな成果がありましたか?
まず、工数の削減効果を実感できました。校正確認や画像手配など圧縮できない作業もありますが、前述のとおり、企画から構成、執筆が格段に早くなったことで、これまでにないスピード感で記事を公開することができたと思います。
一方、トラフィックについていえば、プロジェクト初期は正直いまひとつな結果だったと思います。それ以前と比較して、全体的に期待していたセッション数からはほど遠く、何か爆発的にヒットしたという記事も残念ながら出なかったからです。でも、工数削減は実現していたし、この仕組みを活用して何とか成果を残せさえすれば素晴らしい取り組みになると確信していたので、継続して試行錯誤を繰り返しましたね。
結果、AI×SEO記事に取り組んでから3カ月後以降、トラフィックは先月対比でセッション数+153%、CV数+600%、アクティブユーザー数+160%とすばらしい成果を達成できました。
記事の制作だけでなく、公開後の分析やレポートも弊社で行いました。クエリや記事の構成などを分析し、「このテーマはダメ」と判断するだけでなく、ダメだった原因やこうすれば改善できるのではないかという仮説を立てつつ、さまざまなことにチャレンジしましたね。
そんな中、いくつかの成功パターンを見出すことができましたのは大きな成果だと感じています。「京都 紅葉」というビッグクエリを狙った記事では、公開後1カ月弱で検索上位に浮上し、高いCTRとCV数を獲得できました。検索表示順位は公開後しばらく乱高下するものですが、今なお安定して上位表示されているので、検索エンジンから高い評価を得られていると考えています。
これに引き続き、エリア別のホテル紹介記事や、新幹線関連の記事など、ヒット記事を量産することができました。
「新幹線」関連のクエリを狙ったHow to記事ですね。こちらも公開後約3週間で検索上位に浮上し、CVも多く獲得できましたね。
2025年10月に公開した「新幹線」関連の記事。ロングテールクエリも意識した記事構成とし、ユーザーの検索意図に合わせて幅広く対応。公開後約3週間で検索上位に浮上し、多くのCVを獲得した
本質的な課題は、持続的な顧客接点を構築したい、検索流入を増やしてCVを獲得したい、だと認識しているので、商材やクエリからだけでなく、顧客視点に立つことが大事です。そこで、新幹線に乗る方のインサイトを分析し、「新幹線についての情報」にもっとニーズがあるのでは?と考えました。リサーチをしてみると、個人ブログなどもけっこう上位に表示されていたので、JR東海ツアーズさんという何よりも信頼できるサイトが言及すれば、もっと高い検索上位を狙えるはずだし、何よりユーザーにとって有益なのでは?と考え、ご提案させていただきました。
ニーズのあるテーマだとは認識していましたが、私たちからすると身近なテーマすぎて振り切れないというか、正直不安だったんです。しかし、蓋を開ければ、ADDIXさんによる独自プロンプトによって新幹線関連クエリで見事に検索上位を獲得し、検索流入からの旅行予約が増えたんです。通年で使える記事という点もいいですよね。
収益に貢献できたという喜びはもちろんですが、私たち自身が気付いていない、けれどユーザーが欲しいと思っていた情報をしっかり届けることができたのでとてもよかったと感じています。
僕たちとしてもうれしい結果でした。そもそもこの短期間でこれほどの成果が出るとは正直想定していなかったので、同時に驚きでもありましたね。しっかりと改善サイクルを回していきながら、AIとメディアで培った編集力をうまく掛け合わせることができた結果、検索エンジンにもユーザーにも高く評価してもらえる記事をつくりだすことができたのだと思います。
ジェイアール東海ツアーズが目指すこれからの旅提案とは
AI×SEOには、今後どんな可能性があると思いますか?
AIの活用は大きなポイントですが、それに加えて、それぞれがプロフェッショナルとしてのスタンスで記事に向き合い、ときに人間の意思や気付きをうまく織り交ぜることで、先に述べたようなさまざまな成果を実現できたのだと思います。
そこで大事なのは、たとえば「新幹線」関連クエリを狙った記事がそうだったように、私たちにとっての“まだ知らないクエリ”を発見できることなのかなと思いますね。まさに顧客視点で、AI×SEOを上手にバランスすることで、限界だと思っていた壁を乗り越えることができるんだなと。AIを得意とする企業、SEOを得意とする企業はたくさんありますが、こうしたハイブリッド的思考で伴走してくれるパートナーはなかなかいないのではないでしょうか。
この半年の成功体験は、私たちがもっと先のステップへ進むことができる、考えもしなかった可能性がまだ広がっているということを教えてくれた気がします。これからも、期待しています。
AIは日々進化していますが、それをいかに使いこなしていくかが重要ですね。これまでは企画~構成~執筆についてAIを活用してきましたが、弊社ではAI動画の生成も多数の実績があります。限られた素材で、クオリティと検索エンジンからの評価を両立する術がまだまだあると考えていますので、今後もぜひサポートさせていただければ幸いです。
株式会社ジェイアール東海ツアーズについて
1989年設立。東海道エリアの移動を伴う旅・ビジネスのスペシャリストとして、新幹線と宿泊がセットになった「EX旅パック」、看板商品の「ぷらっとこだま」、特別な体験からレジャーまでチケットレスで予約できる「EX旅先予約」などを展開。チケットレスの旅でプライスレスな体験を提案、提供している。